「七福神(しちふくじん)」という言葉を聞いたことはありますか?
お正月の絵や、神社のポスター、テレビなどで見たことがある子も多いかもしれませんね。
七福神は、日本で昔から大切にされてきた「しあわせを運んでくれる神さま」たちです。
お母さんやお父さんが、ネットを見ながら子供に教えてあげるときにも使いやすく、子供がひとりで読んでも「なるほど!」と思える内容になっています。
それではまず、七福神にはどんな神さまがいるのか、見ていきましょう^^
七福神の名前と役わりを見てみよう
七福神には、全部で7人の神さまがいます。
それぞれ、得意なことや守ってくれることがちがい、役わり分担をしているのが特ちょうです。
まずは、一人ずつ、どんな神さまなのかを見ていきましょう。
えびすさま|おしごとと商売がじょうずになる神さま

えびすさまは、「恵比寿(えびす)」と書く神さまです。
七福神の中で日本生まれの神さまとして知られています。
お店や会社、はたらく人たちを応援してくれる神さまです。
魚(たい)を持っている絵が多く、「たくさんとれる」「うまくいく」という意味があります。
「お仕事がうまくいきますように」「お店がにぎわいますように」とお願いされることが多い神さまです。
だいこくてん|ごはんとお金を守る力もちの神さま

だいこくてんは、「大黒天(だいこくてん)」と書く神さまです。
大きな袋と小づちを持っている姿でえがかれることが多く、食べものやお金など、毎日の暮らしを守ってくれます。
むかしの人にとって、ごはんは生きていくためにとても大切なものでした。
そのため大黒天は、「家族みんなが困らずに暮らせるように」と見守ってくれる神さまです。
びしゃもんてん|つよさと正義を大切にする神さま

びしゃもんてんは、「毘沙門天(びしゃもんてん)」と書く神さまです。
よろいを着た姿でえがかれることが多く、強さの象徴として知られています。
ただ強いだけでなく、「正しいことを守る」「弱い人を助ける」ことを大切にする神さまです。
がんばる気持ちや、あきらめない心を応援してくれます。
べんざいてん|音楽やおべんきょうがとくいになる神さま

べんざいてんは、「弁財天(べんざいてん)」と書く神さまです。
七福神の中で唯一の女神(女の神様)です。
音楽や絵、勉強、言葉など、頭を使うことが上手になるよう見守ってくれます。
楽器を持っている姿でえがかれることが多く、「上手になりたい」「楽しく学びたい」と思う子供に人気の神さまです。
ふくろくじゅ|ながいきと知恵をあたえてくれる神さま

ふくろくじゅは、「福禄寿(ふくろくじゅ)」と書く神さまです。
長い頭とひげが特ちょうで、名前の中に「福(しあわせ)」「禄(お金)」「寿(長生き)」という意味がこめられています。
「元気で長生きしたい」「知恵を身につけたい」と願う人に親しまれています。
じゅろうじん|元気で長生きできるよう見守る神さま

じゅろうじんは、「寿老人(じゅろうじん)」と書く神さまです。
長生きを守る神さまとして、特にお年寄りから信仰されています。
つえを持った姿でえがかれることが多く、「人生をゆっくり、しっかり歩く」ことの大切さを教えてくれます。
じゅろうじんも、長生きを守る神さまです。
お年よりを大切にし、家族みんなが元気にくらせるよう願う神さまとして知られています。
つえを持っている絵が多く、「人生をゆっくり、しっかり歩く」ことを教えてくれます。
ほてい|笑顔とやさしさで人を幸せにする神さま

ほていは、「布袋(ほてい)」と書く神さまです。
大きなおなかと、にこにこした笑顔が特ちょうで、見ているだけで心が和みます。
まわりの人を笑顔にし、やさしい気持ちを広げてくれる神さまです。
「仲良くすること」「人をゆるすこと」「楽しく過ごすこと」の大切さを教えてくれます。
七福神ってなに?子供向けにかんたん説明

ここまで読んで、「七福神って、いろいろな神さまの集まりなんだな」と思ったかもしれませんね。
ここでは、七福神をまとめて、わかりやすく説明します。
七福神は「しあわせ」を運んでくれる神さま
七福神は、それぞれちがう形で、人の幸せを応えんする神さまです。
お金、健康、勉強、やさしさなど、くらしに大切なことを見守っています。
どうして7人いるの?数字の「7」のひみつ
むかしから「7」という数字は、ラッキーな数字と考えられてきました。
1週間が7日あることから、「ちょうどいい」「バランスがいい」数字とされていたのです。
そのため、「幸せをまんべんなく集めた神さま」として、7人になりました。
七福神は日本だけの神さまじゃない?
実は、七福神の中には、外国から来た神さまもいます。
中国やインドの考え方が、日本に伝わって、今の形になりました。
七福神はいつ生まれたの?はじまりのお話

七福神は、ある日とつぜん生まれたわけではありません。
むかしの人たちが、「どうすれば毎日を安心して、しあわせにくらせるのだろう」と考える中で、少しずつ形ができあがっていきました。
長い時間をかけて、人々の願いや思いが重なり、今の七福神の姿になったのです。
七福神の考え方はどこから来たの?
もともとは、「人が幸せに生きるための考え方」が元になっています。
健康でいること、お金に困らないこと、知恵を身につけること、そして人にやさしくすることなど、くらしに大切なことを大事にする考えです。
これらは、今も昔も変わらず、多くの人が願ってきた大切な気持ちだと言えます。
中国やインドから伝わった神さまもいる
七福神の考え方には、日本だけでなく、外国の文化も関係しています。
仏教といっしょに、中国やインドの神さまの考え方が日本に伝わり、それが日本の人々の考え方や生活と結びついていきました。
その結果、日本らしい形に変わりながら、七福神としてまとめられていったのです。
日本で「七福神」として広まった理由
日本の人たちは、「まとめてお願いできる」「親しみやすく感じられる」という点に心をひかれました。
それぞれちがう願いを持つ神さまが集まっていることで、家族みんなのしあわせを願いやすくなり、七福神は多くの人に大切にされる存在として広まっていきました。
七福神はどんな見た目をしているの?

七福神は、それぞれ見た目にも特ちょうがあります。
服の形や持ち物、表情などが一人ひとりちがっていて、絵を見ただけでも「どんな神さまなのか」が分かるようにえがかれています。
そのため、文字だけでなく、絵やイラストといっしょに学ぶと、より理解しやすくなります。
それぞれが持っている道具の意味
袋、小づち、楽器などは、それぞれの役わりをあらわしています。
たとえば、お金や食べものに関係する道具を持っている神さまもいれば、勉強や芸ごとを表す道具を持っている神さまもいます。
絵を見ると、「この神さまは何を守ってくれるのか」「どんなお願いに向いているのか」が自然と分かるようになっているのが特ちょうです。
親子で絵を見ながら、「この道具は何の意味かな?」と話してみるのもおすすめです。
えがおの神さまが多いのはなぜ?
七福神は、こわい存在ではなく、身近でやさしい神さまとしてえがかれてきました。
そのため、えがおを見せている神さまが多く、見ている人が安心できるような表情をしています。
えがおを見ると、「この神さまは見守ってくれているんだな」と感じられますよね。
子供にとっても親しみやすく、神さまをこわがらずに身近な存在として感じられる理由のひとつです。
どうして七福神は宝船に乗っているの?

七福神といえば、「宝船(たからぶね)」の絵が有名です。
宝船は、幸せやゆたかさを運んでくる船としてえがかれてきました。
七福神がいっしょに船に乗っているのは、たくさんの福をまとめて人々のもとへ届ける、という意味がこめられています。
宝船にはどんな宝物がのっているの?
宝船には、まきもの、袋、小づちなど、しあわせを表すものがたくさんのっています。
それぞれの宝物には、「知恵が身につく」「お金に困らない」「毎日を安心してくらせる」といった願いがこめられており、見ているだけでも前向きな気持ちになります。
お正月と七福神のふかい関係
お正月は、新しい年のスタートです。
「今年もいい年になりますように」「家族みんなが元気で過ごせますように」という願いをこめて、七福神と宝船のえががえがかれるようになりました。
新年に幸せを呼びこむ象徴として、大切にされてきたのです。
初夢と宝船のお話
むかしは、宝船の絵をまくらの下に入れると、いい夢が見られると言われていました。
初夢は一年の運を決める大切な夢と考えられていたため、宝船の絵には「楽しいことがたくさん起こりますように」という願いがこめられていました。
親子でこのようなお話をすると、お正月の文化がより身近に感じられるかもしれません^^
七福神はどんなときに登場するの?
七福神は、特にお正月に目にすることが多いです。
新しい年のはじまりに、「今年も元気に過ごせますように」「家族みんながしあわせでありますように」と願う気もちと、七福神の考え方がとてもよく合っているからです。
そのため、昔からお正月の絵や行事といっしょに親しまれてきました。
お正月に七福神を見る理由
一年のしあわせを願う気もちと、七福神の考え方が合っているからです。
七福神は、それぞれちがう形で人のくらしを見守ってくれる神さまたちなので、新しい年のスタートにまとめて願いをこめやすい存在でもあります。
七福神めぐりってなに?
神社やお寺をめぐって、七福神にお参りする行事です。
七つの場所をまわりながら歩くことで、「健康のため」「家族との時間を大切にするため」といった意味もあり、家族で出かける人も多いです。
お散歩や小さな旅行のような感覚で楽しめるのも特ちょうです。
神社やお寺で七福神に会える場所
地域によって、七福神をまつっている場所があります。
住んでいる町の近くに七福神めぐりがあることもあり、調べてみると意外と身近な場所で出会えることがあります。
実際に足を運ぶことで、七福神をより身近に感じられるでしょう。
子供に七福神を楽しく伝えるコツ

大人が教えるときは、むずかしくしすぎないのがポイントです。
七福神は名前や考え方が少しむずかしく感じられることもあるので、まずは「楽しい」「おもしろい」と感じてもらうことを大切にしましょう。
そうすることで、子供自身が自然と興味を持ち、もっと知りたい気持ちにつながります。
絵本やイラストでイメージしやすくする
絵を見ると、言葉だけで説明するよりも理解しやすくなります。
七福神は見た目や持ち物に特ちょうがあるため、絵本やイラストを使うことで「この神さまはだれかな?」と楽しく覚えられます。
親子でいっしょに絵を見ながら話すと、会話も自然と広がります。
キャラクターとして覚えると理解しやすい
「この神さまは何が得意?」「どんなことを助けてくれるのかな?」と考えると覚えやすいです。
キャラクターのようにイメージすることで、七福神それぞれの役わりが頭に残りやすくなり、子供も楽しみながら学べます。
学校の授業や行事と結びつけて説明する
お正月や社会の勉強とつなげると、興味が広がります。
学校で学んだ内容と七福神を結びつけて話すことで、「知っていること」が増え、理解も深まります。
行事や季節の話題といっしょに伝えるのもおすすめです。
よくある子供の質問Q&A

七福神は本当にいるの?
七福神は、今の私たちが実際に会える存在ではありません。
しかし、昔の人たちが「こうだったらいいな」「こんなふうに生きたいな」と願った気持ちが形になった、大切な考え方として伝えられています。
目には見えなくても、人の心の中で大切にされてきた存在だと言えるでしょう。
神さまなのにどうして外国出身なの?
七福神の中には、日本以外の国から伝わってきた神さまもいます。
日本は昔から、外国の文化や考え方を上手に取り入れながら、自分たちの生活に合う形にしてきた国です。
そのため、外国生まれの神さまも、日本の文化の中で大切にされるようになりました。
いちばん人気の七福神はだれ?
人気のある七福神は、地域や人によってちがいます。
その中でも、えびすさまやだいこくてんは、お正月やお店などで見かけることが多く、特に親しまれています。
身近な場所で見かけることが多い神さまほど、人気が高く感じられるのかもしれません。
まとめ|七福神は子供にも伝えたい日本のやさしい文化
七福神は、こわい神さまではなく、毎日のくらしをやさしく見守ってくれる存在です。
それぞれの神さまが持つ意味や役わりを知ることで、日本の文化や昔の人の考え方を、楽しみながら学ぶことができます。
また、七福神のお話には「家族を大切にすること」「前向きに生きること」「人にやさしくすること」など、今の生活にもつながる大切な考えがたくさんつまっています。
親子で話しながら読むことで、「どうしてこう思ったのかな?」「自分だったらどうするかな?」と、会話も自然と広がり、理解もぐっと深まりますよ。
ぜひ、七福神のお話を、日常の会話や季節の行事の中でも使ってみてくださいね^^
